結婚詐欺は女性に夢を与える社会貢献者なのか?

女性は美容室などに行くと、「女優の◯◯のような髪型にしてください。」などという女性がいる。

この場合、その女性は◯◯風な髪型ではなく、「◯◯になりたい」のである。

女性は想像の世界に生きているため、「◯◯風だね」なんてお世辞は求めていない。

「◯◯そのものだね。」という言葉を期待している。


じつは、女性と詐欺師の関係は、これに似ている。

詐欺師に金をダマしとられた女性が、意外に詐欺師をうらむことがないのは、「夢をみさせてくれて、ありがとう」という感謝の気持ちが、どこかにあるからだろう。

この心理は、思ったよりも複雑である。

女性は、心の底から、ウソにダマされるわけではない。

「キミは、ボクのただひとつの宝だ」といわれたとき、心の奥底には、 そんなはずはないという疑惑が生まれている。

だが、そんな疑惑を引っぱりだすよりは、バーチャル・リアリティの世界につつまれて、脳内快感物質を放出させるほうを選ぶ。

そう、女性は、おろかどころか、きわめて利口な動物なのだ。

幸せは、幻の青い鳥にすぎないということを知ったうえで、詐欺師がプレゼントしてくれた、幻の幸せをいただくのだから。

さて、詐欺師は詐欺師でも、お金目的のプロの詐欺師と、自分の幻想を女性にあてはめて〝恋のトリック〟を楽しむ詐欺師がいる。


そして、それらの〝詐欺師〟には、二つのタイプがある。

前にも紹介したドンファン型とカサノバ型である。

ドンファンは、小説やモーツァルトのオペラになった伝説の人物で、カサノバは、18世紀のイタリアに実在した文学者である。

どちらもプレイボーイの代名詞となっているが、両者には、心理的ベースのちがいがある。

ドンファンは、女性たちに聖母のような母親の幻想を重ねてしまうので、あらゆる女性に幻滅をおぼえる。

つまり、どの女性にも満足できないために、つぎつぎと、別の女性に走るのだ。

それにたいし、カサノバは、あらゆる女性に官能の女神をみている。

だからこそ、その快感を維持するために新しい女性をつぎつぎに求めていく。

この両タイプは、女性とバーチャル・リアリティを共有しようとして、ありとあらゆる非現実的な言葉を口にする。

ドンファン型は、「キミの心は、なんて清らかなのだろう」とかいい、カサノバ型は、「キミの腰は豹のように美しい」とかいうだろう。


どちらも、自分自身のバーチャルに女性を引きこんでいるのだ。

そして、女性のほうも、ここぞとばかりに、そのバーチャルそうに参加する。

そこには、夢みる男と夢みる女性との、強力な相じょうこうか乗効果も生まれてくる。

ドンファン型もカサノバ型も、金をダマしとることが目的ではないので、その点においては、プロ詐欺師よりもたちはいい
気がする。

しかし、カサノバ型は、ふいに去っていくだけだが、ドンファン型には、ストーカー的な要素があるから要注意である。

たとえば、ストーカー的な男には、自分の恋人が、ほかの男と話をしただけで怒りくるうという特徴がある。

なんせドンファン型の心の内には、女性の清純さへの過剰ないだ幻想が抱かれているのだから。

しかも、ストーカーは、ただ一人の女性を追い求める男だと思っているかもしれないが、それは大きな誤解だ。

彼らストーカーは、何人もの女性に目を移しながら、ストーカー行為をくり返しているからこそ、ストーカーとよばれるのだ。

幻の幸せを楽しむつもりがあるなら、〝詐欺師〟とともに夢を共有するのも悪くはない。

だが、それでも、ドンファン型だけはやめておいたほうが賢明である。

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